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おあずけ

 

 待っていたけど、残念!!  3年目の秋45mm超・交接と順調に進んできた累代繁殖への道はここで一時停止のようです。4月になってもどの個体も「産卵しない」のです。

 交接はしたけれど、体内ではまだ産卵準備が出来ていなかったのかも知れません。確かにセメント腺の発達は弱かった。

 産卵しない理由を考える場合、当然、飼育環境のチェックも必要ですが、水族館、自宅飼育槽とも環境の大きな変更は無く、どちらも「成体は抱卵中」です。

 また、血統としては、青色は全て2013年生まれの「きょうだい」ですが、この他に対照実験として育ててきた同年生れ茶♀1匹が43mm・交接スミ、これも同様に産卵ナシです。

 

 ネット上の情報「全長4センチ程度の個体は立派な成体です」「概ね4・5cmで性成熟に達します」は外観のサイズ情報のみで「年令」に関する情報は含まれていません。これとは別に「繁殖を始めるまでに5年かかる」という情報も目にします。

 ニホンザリガニの繁殖の事例は少なく、累代繁殖に向けてのネット情報の信頼性もこんな程度です。

 

 「3歳以下では多少サイズが大きく育っていても性成熟してはいない」ということかも知れません。次シーズンに、このメンバーで順調繁殖が実現すれば「十分には性成熟していなかった」という推測が正しいと言えます。それまで「おあずけ」です。

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コメント: 4
  • #1

    がま八 (月曜日, 11 4月 2016 21:42)

    こんばんはです
    新たなる試み
    面白いですし、勉強になるデータになります
    うちでの結果も楽しみにお待ち下さい
    おってご報告いたします

  • #2

    北の瑠璃 (火曜日, 12 4月 2016 22:29)

    がま八様
    こんばんは。
    私の飼育環境は自生地よりは少し温度が高めです。
    北海道の中央部や北部はさらに低温で夏が短いので、
    性成熟に要する期間はさらに長いかも知れません。

  • #3

    チカポン (水曜日, 13 4月 2016 06:59)

    いつも拝見、参考にさせて頂いております!
    生息地を観察できないなどの条件下では、ネットの情報に頼る傾向があり、鵜呑みにし、それが遠回りの原因になっている事が少なからずあると思います。

  • #4

    北の瑠璃 (水曜日, 13 4月 2016 21:45)

    チカポン様 
    こんばんは。いつも「こっそり」見せていただき、刺激を受けています。
    性成熟した一例では、
    2012年9月に30mmで捕獲した個体が10月に脱皮して35mmに、翌年2013年の夏の間に3回脱皮して50mmに、そして、その秋に交接して2014年3月産卵6月孵化です。
    この個体が捕獲時に何歳であったかは分らないのですが、その後の稚ザリ飼育の経験から、3歳であったと推測しています。
    したがって、このケースでは、生まれた年を1歳と数えると、「4歳の秋に交接し、5歳の春に産卵、サイズは50mm」です。
    そんな訳で今回は、40~45mmで交接したので、産卵まで期待してしまいました。